第一回企画「#コロナ禍の大学1年生」 声明文

1回生をつなげる会とは

 1回生の有志2名によってつくられた団体である。我々の活動の目的は一つ。それは、コロナ禍の中で分断されている大学1回生達に他者と「つながる」機会を提供することである。コロナ禍に伴う対応、自粛の中で我々大学1回生が他者とつながるための機会は大きく制限されている。そこで我々1回生をつなげる会では分断された1回生同士を企画を行うことで結び付けることを目的にしている。

 

「#コロナ禍の大学1年生」とはどのような企画か

 2020年9月某日に我々は感染対策を行ったうえで鴨川デルタに全学部から1名ずつ1回生を集めて座談会を行う。そこでは「いま何を感じているか」「受験から今までどのように生きてきたか」「学部はどのような様子か」などを各人に語ってもらう。我々はこの会でのそれぞれの言葉を文字に起こし、記事にまとめる予定だ。前述の座談会に加えて、これを発信・拡散することがこの企画の全容である。

 

企画の目的は

1.自分たちの体験を歴史化すること

 現在、社会全体はコロナ禍という大きな困難に直面している。その中で我々一人ひとりには苦しいこともあれば、悔しいこともある。反対に少し嬉しいようなこともあれば、怒りに身を焦がすようなこともあるかもしれない。しかしコロナ禍が終わった後で語られるのは社会としてのコロナ禍の記憶である。「みんな」苦しかった。「みんな」大変だった。など。確かにそれはそうかもしれない。しかし「あなた」はどうなのだろう。あなたがこれまでの日々で味わったこと、憤ったこと、悔しかったこと、はたまた嬉しかったこと。その一つ一つは形にしなければ、あなたの記憶も大衆の一人として社会の歴史という大きな物語に取り込まれてしまう。「みんなで乗り越えた」などの美辞麗句の踊る大きな物語の一部となってしまう。「我々大学1年生が体験したこと」。そのひとつひとつを形として残すことが我々の第一の目的である。

 

 

2.大学生が今感じていることを形にして残し、発信すること

 ただ残すだけでは何も変わらない。#大学生の日常も大事だ のハッシュタグが世間に与えた影響力を見ればわかるように、我々の体験を社会に向けて発信する必要がある。それは我々の大学生の感じていることを世間に示すということであり、我々の苦しみや悩みを広く社会に知ってもらうためである。大学とは社会の一部であり、社会に広く開かれている機関でもある。日本大学広田照幸教授によれば、大学は知識の継承とともに社会の内省の機能を担当しているという。コロナ禍の社会の中でそうした大学の機能は一層求められており、大学生として感じていること・考えていることを記録し・発信することはこの責務と重なるところがあるものと我々は考えた。この目的は「タテカン」とも通ずるものがあると考える。これが我々の第二の目的である。

 

(参考)広田照幸石川健治・橋本伸也・山口二郎 (2016) 『学問の自由と大学の危機』岩波ブックレット p61より

 

3.学部間のつながりを設け、1回生同士の連帯の一助とすること

 学部での必修や学部・クラスラインなどによって学部内での交流にはある程度の基礎は築かれている。しかし、学部を超えた人間関係を構築する場であるサークル活動や対面授業はそれらの「媒介する力」を著しく低下させている。そこで我々は学部同士のつながりを作り出し、学部間交流会の開催を促したい。そのために各学部同士のパスを設ける役割をこの会で担うことを望むものである。これが我々の第三の目的である。

 

 

2020.09. 13    1回生をつなげる会