新年京大イブ祭を振り返って

 

「新年京大イブ祭」について

2020年12月30日20時~22時のあいだYouTube上で京大生数名をゲストに招いて生配信を行った。前半1時間は1回生のための「祭り」の場として1回生ツイッタラーを2名招いてトークテーマに基づいた雑談を配信した。後半1時間は「語り」の場として、1回生ツイッタラー3名と上回生ツイッタラー3名をいて3つの議題について簡単な議論を配信した。番組での発言はTwitter上でもハッシュタグをつけて流し、Twitter上での意見表明を促した。配信の同時最多接続は58、アーカイブ含めた総再生数は810回となった(2021/01/17 15:40時点)。運営体制としては、1回生をつなげる会と有志および協力者によって構成される運営委員会をおいた。企画者はアストナージさん。

 

運営上の反省

企画

・前半「祭り」パートを祭りとして作ることができなかった。「語り」メインで場を作ってしまったために準備や人員が間に合わなかったこともある。しかしこうしたイベントに特定の思想や企画のイメージを持たれてしまい、勧誘がうまくいかないというのもあった。京大生の特質として「逆張り」ツイッタラーの特質として「傍観」もしくは「冷笑」といった態度を想定し、こちらがそれを過度に意識して勧誘がうまくいかなかったこともあった。オフラインの人脈も活用して円滑に行える場面もあったと考える。ただ根本的なミスとしては、声明文で「祭り」を打ち上げておきながら、勧誘の際の資料では「トーク番組」のイメージで、というようなダウンサイズした企画の立て方をした部分だろう。祭りで具体的に何をするのか、そしてそれを行うための十分な人員の二点が運営側に欠けていたと考える。

 

・ツイッタラー以外への呼びかけを盛んにするべきだった。クラスLINEへのメッセージも回したが、全学部には回らなかった。スケジュール立ても含めて、もっと多くの学生を巻き込めるようにしたかった。

 

告知企画

・#リレーで振り返る2020年京大生活 のハッシュタグ企画は効果的だった。こちらから確認できるだけで50件以上のツイートが見られ、TL占有率も高かったのではないかと考える。

 

当日運営

ハッシュタグの統一の不徹底による混乱

・参加者の管理

 

 

企画目的の達成

今回の企画を行うにあたって以下3つの目的を設定していた。

 

(A)上回生と1回生との議論を記録し公開することで、これまで大学で行われてきた議論や語り、前提の認識を継承する

(B) 京大界隈に所属するツイッタラーに考えを述べさせることで、京大界隈に議論を呼び言論空間としても機能させる

(C) 番組を通して1回生の語りや考えを提示することで、多くの1回生に同じ1回生という同胞の存在を想像させ1回生全体に連帯感を持たせる

 

上記すべて客観的な達成基準を持つものではないが、こうした目的を設定した背景も含めて企画者として主観的ではあるが振り返りを行いたい。

(A)を設定した理由としては、1回生をつなげる会自体の理念と企画者自身の問題意識の二つがある。1回生をつなげる会の活動目的は、初回の企画の声明文でも示したように

、コロナ禍の中で分断されている大学1回生達に他者と「つながる」機会を提供することである。前回の鴨川座談会で我々が行ってきた「1回生の声」の記録と発信が今回の企画における議論の記録と公開という行為に連続している。前回は「自分たちの体験を歴史化すること」として行っていたが、今回はそれを発展させて1回生の議論を引き出して発信することで1回生を「かわいそうだと同情される客体」ではなく「自ら考え議論し意見を表明していい主体」とする。というような趣旨であった。

 

 (B)を設定した理由は、以下のツイートに集約されるものである。

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(C)を設定した理由は、(A)のとも関連しつつ企画者の興味が関係するこれを行うためにメディアを活用したいという発想は、メディア論に興味を持っている企画者の影響が強い。メディアとしての番組で、京大界隈という空間。集団にどれほどの議論を起こせるのか、という試みであった。実際当日のTLにはツイッタラーの意見が見られ、返信機能を用いた議論にまでは発展しなかったが、Twitter上への問題提起としては十分な機能を果たしたと考える。

 

企画者として・今後について

 個人的にはこの人数とこの準備期間で、多くの人が協力してくれて企画はそこそこの成功だったと思う。声明文で打ち出したようなことを十全に達成できたわけではないけれど、企画者としては満足はしている。現状に満足するわけではないので、つなげる会で何らかの企画を行っていきたいとは思う。「語り」のパートの中で特に印象的だったのは、「学内か、学外か」という話だ。COGくんなどはこれまで京大で築いてきたノウハウの継承なども考えていて学内で行動していくことの意義を訴えていた。一方吉田さんは、学生同士のたこつぼ化に問題意識があるようで外に訴えかけることを説いていた。議論の過程でこの二人は終始対立していたわけではなくて、やはりある程度外に出ていくためには中で議論したりしていかなきゃいけないわけで、学内活動してる人も外に訴えかける必要性は感じている、と思う。ではつなげる会で扱っている「1回の抱える不安」といったものもそのように学内で取りまとめ議論によって鍛え、そして外に発信していくべきだと思う。

 僕たちの1回生という期間もそろそろ終わりを迎える。大学や環境を次の1回生に引き継ぐべき時が来る。僕らがやり残したことは彼らにも引き継がれる。声を上げて変えなきゃいけなかったところも、彼らが声を上げなきゃいけなくなる。コロナがこれからも続くなら、来年の1回生も同じように辛い思いをするはずだ。それに寄り添い、支えられるのは先輩としての元・1回生の僕たちだと思う。